過去の企画展

再興九谷「組物」(後期展)~吉田屋・宮本屋・松山の起程を尋ねる~

平成23年10月19日(水)~平成24年1月16日(月)まで

No.25 松山 麒麟図福良雀文三ッ組鉢

  見込みには麒麟、その周囲には正面を向いた福良雀が9匹配置されている。九谷焼に描かれる動物系のものは、実際に存在するものではなく、伝説、架空上のもの(瑞獣、仙人など)であることが多い。麒麟は、龍、鳳凰、亀とともに四霊に数えられ、鳳凰と同じく雌雄を麒と麟で表し、優れた才能や、信義の意味を持つことで知られる。九谷焼で瑞獣が描かれる場合には龍や鳳凰、獅子などであることが多く、麒麟が採用されることはまれである。麒麟は、争いごとがなく穏やかな世に出現する平和の象徴のメッセージをもつものであり、日光東照宮の眠り猫などと共通するものである。当作の麒麟が実際の平和状態か、その逆の希望を表すものかはわからないが、幕末時代の松山の何らかの意識が反映されているものかもしれない。
  菓子鉢といえば今では1客で伝世している場合がほとんどである。このように辛うじて三ッ組で伝世している鉢を見ると、これまで1客で伝世したと見られてきた鉢の一部も製作された当初は三ッ組であった可能性が高く、寸法違いの2点がこの世のどこかにあるのかもしれない。福良雀は3客とも配置は同じであるが、それぞれに付けられている色は異なる。紺青は花紺青で、梅花皮は無く、裏銘は二重角福である。

松山麒麟図福良雀文三ッ組鉢写真

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