過去の企画展

再興九谷「組物(くみもの)」~吉田屋・宮本屋・松山の起程を尋ねる~

平成22年10月20日(水)~平成23年1月17日(月)まで

再興九谷組物展チラシ画像

  組物とは、揃い物や数物とも呼ばれ、一定の数で構成される集合体のことです。
  九谷焼の組物は、古来より晴れ(ハレ)の日、祝事の際に用いられる会席具のひとつであり、鑑賞に供される一方で、用の美が求められるものでした。しかしながら、昭和初期頃までは組物として存在していた古九谷も、時代が下がるにつれて散逸してゆき、今になって確認されるのは1客である場合が多くなりました。昭和42年の「古九谷端皿展」(東京美術倶楽部青年会)や平成11年の「古九谷 珠玉の小品」(MOA美術館)といった展覧会の開催は、こういった将来の加速を予兆したものと考えられます。今日、こうした傾向は古九谷に留まらず、江戸後期につくられた再興九谷の作品にまで表れるようになりました。
  今回の企画展は、再興九谷でも著名な吉田屋窯、宮本屋窯、松山窯を対象とし、辛くも伝世している「組物」にはじめて注目することで、窯出しのときを伝えるこれらの「起程」の要素を抽出し、単一では捉えることができない窯作品固有の特性を明らかにすることを目的としています。同時に、本展をきっかけとして「組物」の重要性や魅力がひろく発信され、分散の危機に対する警鐘となることを期待するものです。
  会期は、平成22年10月20日(水)~平成23年1月17日(月)の79日間で、展示件点数は、42件263点と九谷焼の展覧会としてはこれまでにない大きな規模のものとなりました。内訳は、吉田屋窯12件59点、宮本屋窯10件84点、松山窯19件100点、青九谷1件20点です。なお、展示に際し、絵替品や加賀市所蔵品に対する重ね展示(緩衝済)以外は、一律5客としました。しかし、本展ではあくまで組物としての有り様を強く知っていただくために、5客以上伝世する14件分についてはその総体を該当展示作品の上部に写真パネルにして設置しました。今回の展覧会開催における総調査点数は421点に上ります。
  今回、これだけまとまった数の伝世組物の存在が把握できたことは大変意義深いことであり、これから先も継承されていくことを祈念します。

出品目録

No. 窯名 組物作品名 展示点数 伝世
組物点数
所蔵
1 吉田屋 椿図琵琶形向付 5 10 個人
2 吉田屋 椿蕾図八角向付 5 5 個人
3 吉田屋 椿文八角向付 5 12 個人
4 吉田屋 木葉形椿図向付 5 5 個人
5 吉田屋 梅散図向日葵文蓋付碗 5 6 個人
6 吉田屋 群蝶図大皿 5 20 個人
7 吉田屋 椿図隅切四方皿 5 5 個人
8 吉田屋 芙蓉図隅切四方皿 5 5 個人
9 吉田屋 百合図隅切四方小皿 5 5 個人
10 吉田屋 瓢箪に檜扇図隅切四方小皿 5 5 個人
11 吉田屋 瓜図輪花小皿 5 15 個人
12 吉田屋 団龍図隅切四方小皿 4 9 個人
13 宮本屋 赤絵金彩鶴図瓔珞文輪花形向付 5 20 個人
14 宮本屋 赤絵彩色金彩鶴図瓔珞文輪花形向付 5 5 個人
15 宮本屋 赤絵金彩岩小禽図瓔珞文輪花形向付 5 40 個人
16 宮本屋 青手雲瓔珞文輪花形向付 5 20 個人
17 宮本屋 青手椿図隅切角皿 5 10 個人
18 宮本屋 赤絵彩色金彩絵替農耕図八角小皿 20 20 個人
19 宮本屋 赤絵彩色金彩絵替農耕図四方小皿 19 19 個人
20 宮本屋 赤絵彩色金彩絵替賢人図四方小皿 10 10 個人
21 宮本屋 赤絵金彩鷺図八角小皿 5 5 個人
22 宮本屋 赤絵金彩獅子図小皿 5 5 個人
23 松山 芭蕉に雀図大皿 5 6 個人
24 松山 瓜図猪口 5 5 個人
25 松山 瓜図猪口 5 9 個人
26 松山 千鳥図猪口 5 5 個人
27 松山 椿図輪花形向付 5 5 個人
28 松山 折鶴図向付 5 9 個人
29 松山 壽字雲龍図向付 5 5 個人
30 松山 樹木雁山水図小皿 5 13 個人
31 松山 家屋橋山水図小皿 5 5 個人
32 松山 家屋橋山水図黄緑入小皿 5 5 個人
33 松山 家屋橋人物山水図小皿 5 5 個人
34 松山 家屋雁山水図小皿 5 5 個人
35 松山 家屋崖雁山水図小皿 5 5 個人
36 松山 柴垣家屋山水図黄緑入小皿 5 5 個人
37 松山 菊に柴垣図豆皿 5 20 個人
38 松山 瓜図小皿 5 18 個人
39 松山 蝶に芙蓉図小皿 5 5 個人
40 松山 筍堀人物図小皿 5 5 個人
41 松山 団龍図小皿 10 10 当館
42 青九谷 金彩花鳥図小皿 20 20 北前船の里資料館

作品紹介:加賀市教育委員会事務局文化課 学芸員 中越康介

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